営業経験ゼロの職人が、1年で1億円受注した話

事例

営業経験ゼロの職人が、1年で1億1,150万円を受注しました。

特別な営業テクニックを使ったわけではありません。高額なコンサルティングプログラムに通ったわけでもありません。

やったことは、たった2つだけです。

これは私の実家の工務店で実際に起きた話です。

売上の9割が大手の下請けだった

実家は工務店を営んでいました。

腕は確かです。丁寧な仕事には定評があり、現場の評判もよかった。

でも、売上の9割は大手ハウスメーカーの下請けでした。

下請けの仕事は安定しているように見えます。でも実態は違います。利益率は低く、単価の決定権もない。「来月から値下げします」と言われたら従うしかない。どれだけいい仕事をしても、お客様から直接「ありがとう」と言われることもほとんどない。

「いい家を建てられる」という自信はある。技術も経験もある。でも、それを知っているのは業界の人間だけ。エンドユーザーのお客様には、この工務店の名前すら届いていませんでした。

下請けの利益がどんどん減っていった

年を追うごとに、下請けの利益は薄くなっていきました。

このまま下請けだけを続けていては先がない。自分たちで直接お客様から仕事を取れるようにならなければ——。

そう考えた当時専務だった兄が、私に新規事業の立ち上げを任せました。

自分たちで元請けとして家を建てる。つまり、自分で営業して受注を取ってこい、ということです。

営業なんてやったことがありません。飛び込み訪問もテレアポも経験ゼロ。チラシの作り方もわからなければ、お客様との商談のやり方もわからない。

「どうすればいいんだろう。」

ここから、手探りの挑戦が始まりました。

まず考えたこと:うちの「強み」は何か

営業のやり方なんてわからない。でも、まず冷静に考えてみました。

うちの工務店には、すでに「強み」があったんです。

長年の下請け実績で培った確かな技術。丁寧な施工。地域での信頼。しかも、大手ハウスメーカーと比べて坪単価は大幅に安い。

問題は、その強みを誰にも伝えていなかったこと。

周囲の人たちは「あそこは大手の下請けをやっている工務店」としか認識していなかった。「直接家を建ててくれる」ということを、誰も知らなかったのです。

営業力が足りないんじゃない。「知ってもらう」ことが足りていなかっただけだ。

そう気づいてから、やったことはシンプルでした。

やったことは、たった2つだけ

1つ目:知り合いに「うちでも家が建てられるよ」と伝えて回った

飛び込み営業でもテレアポでもありません。まず、すでに信頼関係がある人から始めました。

友人、知人、取引先、近所の人。「実はうちでも直接家を建てられるんです」と伝えて回る。それだけです。

うちには実績と技術がある。あとは「知ってもらう」だけだったんです。

2つ目:現場見学会を開いた

言葉で「いい家を建てます」と言っても、お客様には伝わりにくい。

でも、実際に建てている現場を見てもらえば、職人の仕事ぶりが一目でわかります。丁寧な施工、きれいな現場、細部へのこだわり。これが最大の営業ツールでした。

特別な展示場を作る必要はありません。すでに工事をしている現場を、お客様が見られるようにしただけです。

口コミが広がり、1年で1億円を超えた

この2つを地道に続けた結果、変化が起き始めました。

まず、知り合いから紹介が来るようになった。「あそこの工務店、直接頼めるらしいよ」という口コミが広がっていきました。

現場見学会に来た人が、実際の施工を見て「ここに頼みたい」と言ってくれるようになった。

大手ハウスメーカーと比較検討して、最終的にこの工務店を選んでくれるお客様が増えていきました。理由は「大手より安くて、仕事が丁寧だから」。

結果、1年で新築受注 1億1,150万円

大手の下請け90%だった状態から、完全に脱却しました。

営業テクニックが足りなかったわけじゃない

振り返ってみると、私には特別な営業テクニックなんてありませんでした。この話のあとも、飛び込み営業やテレアポは一切やっていません。

うちの工務店には「実力」があったんです。ずっと前から。

ただ、それを届ける仕組みがなかっただけでした。

実力があっても、届ける仕組みがないと、誰にも気づいてもらえない。

これは工務店に限った話ではありません。技術力がある製造業、腕のいい職人、素晴らしいサービスを提供しているお店。多くの中小企業が同じ状況にいます。

「うちにはいい商品があるのに、売れない。」そう感じているなら、足りないのは営業力ではなく「届ける仕組み」かもしれません。

この経験が、今の仕事の原点になった

この実家の工務店での経験が、私の原点です。

営業経験ゼロでも、「強み」を見つけて、それを届ける仕組みを作れば、結果は変わる。

そのことを身をもって経験したからこそ、今コンサルタントとして18年、40業種の経営者さんの「売上の穴」を見つける仕事をしています。

課題を見つけて、戦略を立てて、仕組みを作る。それが私の仕事です。

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