こんにちは。インナーコンサルティングの郡司です。
最近、ネットやSNSを見ていると行政書士の仕事はAIに奪われてなくなるという話をよく耳にしませんか。これから資格を取ろうとしている方や、すでに実務に就いている方にとっては、将来性がどうなるのか本当に心配になりますよね。せっかく勉強して資格を取っても、仕事自体がなくなってしまったら元も子もありません。でも、安心してください。AIが進化しても行政書士の仕事すべてが消滅するわけではないんです。むしろ、AIをうまく活用することで、これまで以上に活躍できるチャンスが広がっているんですよ。
- AIが得意な定型業務と人間が担うべき業務の違い
- 2026年の法改正や行政DXが業界に与える影響
- 廃業率9割という噂の嘘と本当のところ
- これからの時代に求められる行政書士の新しい働き方
行政書士はAIでなくなる?不安の正体と市場データ

「行政書士はAIに仕事を奪われてなくなる」
このキーワードで検索してこの記事にたどり着いたあなたは、きっとこの業界の未来に少なからず不安を感じているんだと思います。
確かに、ChatGPTなどの生成AIが登場してから、デスクワークの世界は激変しましたよね。「書類を作る」ことがメインの仕事だと思われがちな行政書士にとって、これは死活問題に見えるかもしれません。
ここでは、なぜそのような「消滅説」が囁かれているのか、そして実際のデータはどうなっているのか、客観的な事実に基づいて紐解いていきますね。
「オワコン」や「食えない」と言われる理由
まず、なぜここまで「行政書士=オワコン」説が広まってしまったのでしょうか。
大きなきっかけは、2015年に野村総合研究所とオックスフォード大学が発表したある研究レポートでした。このレポートでは、「日本の労働人口の約49%が、10〜20年後にAIやロボットで代替可能になる」という衝撃的な推計が出されたんです。そして、その「代替可能性が高い職業」の中に、行政書士が含まれていたんですよね。
「定型的な書類作成」や「データ入力」といった作業は、確かにAIやロボットが最も得意とする分野です。行政書士の仕事=代書屋(書類を代わりに書く人)というイメージが強かったため、「それならAIでいいじゃん」という結論になりやすかったわけです。
さらに、ネット上には「食えないから辞める人が多い」といったネガティブな口コミも溢れています。これを見ると、これから目指す人は「やめておこうかな…」と弱気になってしまいますよね。でも、これって本当に事実なのでしょうか?
- 資格取得検討層:苦労に見合うリターンがあるのかという投資対効果への不安
- 現役実務家層:車庫証明などの単純業務だけで食べていけるのかという収益への危機感
- 外部の視点:DXが進む中で旧態依然とした士業が変われるのかという興味
実は、あの衝撃的なレポートから約9年が経ちましたが、行政書士の求人がゼロになったわけではありませんし、受験者数も減るどころか、令和6年度は約6万人もの人が受験を申し込んでいます。市場は依然としてこの資格に価値を感じている証拠ですよね。
単純な書類作成や代行業務はAIに奪われる
ここからは少しシビアな話をしますね。「行政書士はなくならない」と言いましたが、「今のままの仕事」がそのまま残るわけではありません。
はっきり言ってしまうと、単純な「代書」や「手続き代行」だけの業務は、AIと行政DXによってほぼ消滅する可能性が高いです。
例えば、以下のような業務はAIの代替リスクが「極めて高い」と分析されています。
| 業務カテゴリー | 具体的な業務例 | AI代替リスク | 理由 |
|---|---|---|---|
| 単純代行業務 | 車庫証明、住民票収集、単純な議事録作成 | 極めて高い | 判断の余地が少なく、OCRやRPAで自動化しやすいため |
| 定型許認可 | 建設業許可(更新)、飲食店営業許可 | 中〜高 | 電子申請システムのエラーチェック機能で完結するため |
| ドキュメント作成 | 契約書作成、定款作成 | 中 | AIによるドラフト作成が容易だが、個別事情の調整は必要 |
これらを見ると、いわゆる「足で稼ぐ仕事」や「コピペで済む書類作成」は、人間がやる仕事ではなくなっていくのがわかりますよね。
特に契約書作成などは、今や「LegalOn Cloud」や「LawFlow」といったAIツールを使えば、数千通の学習データをもとに、一瞬でリスクの洗い出しや条文の修正案を作ってくれます。人間がゼロから条文を考えるよりも、AIにドラフトを作らせて、人間が最終チェックをする方が圧倒的に効率的ですし、ミスも減ります。
「代書屋」としての機能は縮小しますが、それは逆に言うと、面倒な作業から解放されて、もっと付加価値の高い仕事に時間を使えるようになるということでもあります。
2026年の法改正と行政DXによる変化
AI以上にインパクトが大きいのが、政府が進める「行政DX」と「法改正」です。ここ、意外と見落としがちなんですが、めちゃくちゃ重要ですよ。
デジタル庁は「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の中で、行政手続きのオンライン化を強力に進めています。これまで役所の窓口に行って、紙の書類を提出し、ハンコをもらう…というのが行政書士の日常でしたが、これが変わりつつあります。
- オンライン化の徹底:金融機関への照会や税務手続きのデジタル完結
- アナログ規制の見直し:目視義務、常駐義務、書面掲示義務の撤廃
- 自治体窓口DX:「書かないワンストップ窓口」の導入
「書かない窓口」なんて言葉も出てきていますが、住民が手書きしなくて済むようになれば、当然「代行」のニーズは減りますよね。さらに、オンライン申請なら24時間どこからでも申請できるので、「地元の先生にお願いする」という地理的な優位性も薄れていきます。
そして注目すべきは、2026年1月に予定されている「改正行政書士法」の施行です。
この改正では、行政書士の職責として「デジタル社会への対応」が明記される見込みです。つまり、紙での業務に固執している事務所は、「やるべきことをやっていない」とみなされてしまう可能性があるんです。事実上の「デジタル化強制」ですね。
一方で、特定行政書士の業務範囲拡大など、AIでは代替できない「紛争予防」や「ADR(裁判外紛争解決)」への関与が強化される方向でもあります。これは行政書士にとって追い風と言えるでしょう。
廃業率が高いという噂の裏にある統計的真実
「行政書士は廃業率が9割もある」なんて噂、聞いたことありませんか?これを聞くと「やっぱり食えない仕事なんだ…」と不安になりますよね。
でも、結論から言うと、この数字には統計的な根拠が全くありません。都市伝説レベルの話です。
もちろん、登録を抹消する人はいますが、その理由は「食えないから」だけではないんです。
- 高齢による引退:行政書士は平均年齢が高いため、自然な引退が多いです。
- 他資格へのステップアップ:司法書士や税理士試験に合格し、そちらをメインにするために登録を変えるケース。
- 法人化:個人事務所を閉じて「行政書士法人」を作る場合も、形式上は個人の廃業になります(これはむしろ成功ですよね)。
- 公務員OBの退任:定年後に一時的に登録していた方が辞めるケース。
もちろん、開業して数年で経営がうまくいかずに辞める方もいますが、それはどんなビジネスでも同じこと。「AIのせいで廃業した」という事例は、現時点ではほとんどないと言っていいでしょう。
実際の年収データを見ても、20〜30代の中央値は300〜400万円台ですが、40代以降や戦略的に経営している層では1,000万円プレイヤーも珍しくありません。要は「やり方次第」の実力主義の世界なんです。
参考として、行政書士試験の最新データを見てみましょう。
(出典:一般財団法人 行政書士試験研究センター「最近10年間における行政書士試験結果の推移」)
これを見ても、受験者数は約6万人で安定しており、合格率も10%台前半の難関資格としての地位を保っています。「なくなる仕事」にこれだけの人が集まるでしょうか?市場は正直ですよ。
AIツール導入で業務効率化はどこまで進むか
では、実際に現場ではAIがどのように使われているのでしょうか。「AIに仕事を奪われる」と恐れるのではなく、「AIを優秀な助手にする」という発想が大切です。
例えば、リーガルテック株式会社が提供している「リーガルテックVDR」には、「AI孔明」という生成AIが組み込まれています。これを使うと、以下のようなことが可能になります。
- 文書の自動生成:過去の申請事例をベースに、新しい案件の申請書ドラフトを一瞬で作る。
- リスク抽出:添付資料の不整合や、入力項目の不足を自動でチェック。
- ナレッジ検索:事務所内の膨大な過去ファイルから、「あの時の似た案件どうやったっけ?」を瞬時に検索。
- 多言語対応:外国人業務に必要な翻訳や要約をサポート。
これまで数時間かかっていたリサーチやドラフト作成が、数分で終わるようになるイメージです。
これにより、行政書士は「1件あたりの処理時間」を劇的に短縮できます。空いた時間で、もう1件別の案件を受けたり、お客様の相談にじっくり乗ったりできるようになりますよね。
つまり、AI導入は「仕事がなくなる」のではなく、「生産性が爆上がりして、より稼げるようになる」チャンスなんです。これを使いこなせるかどうかが、今後の分かれ道になるのは間違いありません。
AI時代に行政書士がなくならないための生存戦略

ここまでで、単純作業はAIに置き換わるけれど、行政書士という職業そのものはなくならないことがわかってきたと思います。
では、具体的にどうすればAI時代に「選ばれる行政書士」になれるのでしょうか。キーワードは「人間らしさ」と「コンサルティング」です。AIにはできない、人間だからこそ価値が出る領域に特化することが生存戦略になります。
ここで、他の士業の状況も参考になるかもしれません。例えば司法書士もAI代替リスクが議論されていますが、彼らがどう生き残りを図っているかを知ることは、行政書士にとっても大きなヒントになります。
それでは、行政書士ならではの有望分野を見ていきましょう。
入管業務やドローンなど将来性のある分野
AIが苦手とし、かつ市場が拡大している分野の筆頭が「外国人関連業務(入管業務)」と「ドローンなどの新領域」です。
【外国人関連業務】
少子高齢化の日本において、外国人労働者の受け入れは国策として不可避です。「特定技能」や「育成就労」など制度は頻繁に変わり、複雑化しています。
外国人の経歴や家族関係、雇用する企業の事情は千差万別です。「審査官を納得させるストーリー(理由書)」を書くには、深いヒアリングと文脈理解が必要です。また、不法就労のリスク管理や、本人の生活支援といった「対人サポート」は、AIには絶対にできません。
【ドローン・空飛ぶクルマ】
ドローンの飛行許可申請も急増しています。特に「レベル4(有人地帯での目視外飛行)」のような高度な申請は、単なる書類作成ではなく、安全管理体制の構築やマニュアル作成まで求められます。
ここはまだ新しい分野なので、AIが学習すべき「過去のデータ」が少ないんです。つまり、人間が自分で道を切り拓けるフロンティアなんですよ。
コンサルティング力で生き残る方法
「書類を作って終わり」ではなく、「顧客のビジネスを成功させるためのアドバイス」でお金をいただくスタイルです。
特にわかりやすいのが「補助金・資金調達コンサルティング」です。
事業再構築補助金やものづくり補助金などは、申請書を書くだけならAIでもそれっぽいものは作れます。しかし、採択されるためには、審査員の心に響く「事業計画のストーリー」が必要です。
- 社長の熱い想いを言語化する
- その企業の強みと市場ニーズをリンクさせる
- 実現可能な数値計画に落とし込む
これらは、経営者と膝を突き合わせて対話しないと生まれてきません。AIは市場調査などのデータ分析には使えますが、最終的な「戦略立案」と「説得」は人間の仕事です。
成功報酬型の補助金申請サポートなら、1件で数百万円の報酬になることもあります。単価が下落するスポット業務とは対照的に、ここは非常に収益性が高い分野です。
相続やデジタル遺産に関する新たな需要
高齢化社会において、相続業務は今後も安定した需要があります。その中でも、今注目されているのが「デジタル遺産」です。
亡くなった方が持っていたネット銀行の口座、暗号資産(仮想通貨)、SNSのアカウント…これらをどう処理するか、遺族だけでは途方に暮れてしまうケースが増えています。
ここでは、従来の法務知識に加えて、ITリテラシーが必須になります。
- パスワードの解除や利用規約の確認
- デジタル資産の評価額の算定
- アカウントの承継または削除の手続き
AIツールを駆使してデジタル上の情報を調査する「デジタル探偵」のような役割ですね。感情的な対立が起きやすい遺産分割協議の調整役(ブリッジ・コーディネーター)としても、生身の人間の「共感力」が最大の武器になります。
司法書士など他士業との比較で見える価値
行政書士の強みは、その「業務範囲の広さ」にあります。
例えば、司法書士は登記業務がメインですが、ここもAI化の影響を強く受けています。税理士の記帳代行もAIの独壇場になりつつあります。
その点、行政書士は「街の法律家」として、許認可から市民法務、コンサルティングまで、とにかく守備範囲が広い。これは「時代の変化に合わせて、柔軟に扱う商品を変えられる」という最強のリスクヘッジなんです。
登記は司法書士、税務は税理士という独占業務の壁はありますが、行政書士はそれらの専門家をつなぐ「ハブ」としての役割も果たせます。
「会社を作りたい」という相談が来たら、設立の定款作成(行政書士)→登記(司法書士へ依頼)→創業融資・補助金(行政書士)→税務顧問(税理士へ紹介)といった具合に、プロジェクト全体をマネジメントする立ち位置を取れるのが魅力ですね。
まとめ:行政書士はAIでなくなるのではなく進化する
結論として、行政書士という仕事は「AI なくなる」というキーワードで検索されるほど弱い存在ではありません。
なくなるのは「旧来型の、紙とハンコで手続き代行だけをする業務」です。
これからの行政書士は、AIを「最強の助手」として使いこなし、以下の3つの役割へと進化していくでしょう。
| リーガル・アーキテクト (法的設計者) |
顧客のゴール達成のために最適な法的スキームを設計する建築家のような役割。 |
| ブリッジ・コーディネーター (調整役) |
行政と民間、企業と外国人、親族間など、異なる立場に入って摩擦を解消する役割。 |
| デジタル・ガバナンス・パートナー | 企業のDXや法改正に伴走し、リスク管理と成長支援を継続的に行う顧問的な役割。 |
「AIが仕事を奪う」と怖がるのではなく、「AIのおかげで、人間らしいクリエイティブな仕事に集中できるようになった」と捉えるのが正解かなと思います。
これから行政書士を目指すあなたも、すでに実務に就いているあなたも、この大きな波を乗りこなして、新しい時代の専門家として活躍していってくださいね。応援しています!
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記事でもお伝えした通り、これからの時代に必要なのは「単なる代行」ではなく「選ばれる理由」を作ることです。
「実力はあるはずなのに、なぜか価格勝負になってしまう」
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