労務費の現場別配賦計算のやり方を私がアプリにした話

事例

私の母は、工務店で経理の仕事をしていました。

やっていたのは、職人さんたちの「労務費の現場別配賦計算」です。

毎日、どの職人さんがどの現場に行ったかを手書きで記録して、月末になると、その記録をもとに給与計算と現場ごとの労務費を算盤で弾いていました。

1人の職人さんが1日に2つの現場を回ることもあります。そうなると、日当をどう分けるか。午前と午後で按分するのか、時間で割るのか。それを1人ずつ、1日ずつ、手作業で計算していく。

建設業の経理をやったことがある方なら、この大変さがわかると思います。

「完成工事原価報告書」の労務費は、損益計算書の数字と1円の狂いもなく一致しなければならない。未成工事支出金の振替も正確にやらなければならない。その元になるデータを、母は算盤で作っていたわけです。

Excelで「少しだけ楽に」した20年前

私は母と同じ工務店で10年間働いていました。職人の仕事も営業もやりました。

母が毎月どれだけ大変な思いをしているか、隣で見ていたので、2003年から2005年頃だったと思いますが、あの計算をExcelでできるようにしました。

手書きと算盤が、Excelの関数に変わったのです。

20年後、あのExcelがまだ使われていた

私が工務店を辞めて18年が経ちます。母は3年前に亡くなりました。

ある日、実家の工務店で社長の兄と話す機会があって知ったんです。

「守が作ったExcel、まだ使ってるよ」

正直、驚きました。

20年前に作ったものが、今も現役で動いている。裏を返せば、あの面倒な労務費計算の仕組みは、20年間ほとんど変わっていないということです。

手書きが算盤からExcelに変わっただけで、「誰が・どの現場で・何時間働いたか」を集めて、按分して、集計するという作業そのものは、今も事務員さんが毎月やっている。

そのとき思いました。

今の技術なら、もっと根本から楽にできるんじゃないか。

52歳、プログラミングに本気で取り組む

私は現在、経営コンサルタントとして18年間、40業種150名以上の経営者の方々と仕事をしてきました。

「売上の穴」を見つけて、それを埋める戦略を一緒に考える。それが私の仕事です。

ただ、ずっと感じていたことがありました。

「穴を見つける」だけじゃなくて、「それを埋める仕組み」まで自分で作れたら、もっと役に立てるんじゃないか。

そこで52歳にして、プログラミングに本気で取り組みました。AIの力も借りながら、建設業に特化した労務費の現場別配賦計算の自動アプリを開発したんです。

職人さんはスマホで1分。税理士さんが欲しい数字が自動で出る

このアプリの仕組みはシンプルです。

職人さんがスマホで「今日どの現場に行ったか」を選ぶだけ。

もし現場の職人さんがガラケーならば、社長がスマホで誰が、どの現場に何時間を選ぶだけ

たったこれだけで、以下のデータが自動で生成されます。

  • 複数現場の掛け持ちも自動按分 — 1日に最大4つの現場を回っても、日当を時間で自動按分
  • 現場別の原価報告書をボタン1つで出力 — 期間を指定するだけで、税理士さん・行政書士さんが必要な数字が即時出力
  • 未成工事支出金のデータも正確に — 完成工事原価報告書との整合性が1円単位で取れる
  • タイムスタンプで改ざん防止 — 登録日時が秒単位で記録され、証拠能力のあるデータに
  • 給与計算との連動 — 労務費の集計と職人さんへの支給額が一致

母が算盤で何時間もかけていた作業。事務員さんが毎月末に苦労していた作業。それが、職人さんの1日1分の入力だけで完了します。

コンサルタントだから「何を作るべきか」がわかった

正直に言えば、同じようなコードはAIに指示すれば誰でも書ける時代です。

でも、「建設業には未成工事支出金という概念があるから、現場ごとの按分機能が必要だ」とか、「行政書士さん向けには人件費ではなく労務費という言葉を使わないと書類が通らない」とか、そういった現場の深い知識は、AIだけでは出てきません。

私が工務店で10年働き、母の仕事を隣で見ていたから知っていること。18年間、40業種の経営者さんの「現場の痛み」を聞き続けてきたからわかること。

課題を見つけて、戦略を立てて、仕組みを自分で作る。

コンサルタントとエンジニア、両方ができるからこそ実現できたアプリだと思っています。

中小企業は、もっと効率よく仕事ができる

建設業に限らず、中小企業にはまだまだ「手作業で回している仕組み」がたくさんあります。

大手向けの高額なシステムは導入できない。かといって、紙とExcelのままでは限界がある。

そういう「ちょうどいい規模の仕組み化」を、現場をわかっている人間が設計して作る。これが、これから私がやっていきたいことです。

もし建設業の原価管理や、日々の業務のシステム化でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

現場の痛みがわかる人間が、一緒に考えます。

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